
最終更新日:2025年1月26日
目次
「カナダ留学に海外旅行保険は必要?」
「カナダへのワーキングホリデーでおすすめの保険は?」
「海外旅行保険に加入する準備は具体的に何があるの?」
カナダの公的医療保険制度(Medicare)は、留学生やワーホリ参加者には適用されないことが多く、高額な医療費や予期せぬトラブルを自己負担するリスクがあります。そのため、渡航前にしっかりとした保険を選ぶことが、安心して新生活をスタートするカギです。
この記事では、カナダ留学・ワーホリ中に保険が必要な理由、保険の種類や選び方、おすすめの保険プランを徹底解説します。これを読めば、自分に合った保険が見つかります!
カナダ留学やワーホリを計画する際、保険への加入は欠かせません。その理由は主に以下の4つです。
1.カナダ留学・ワーホリビザの必須条件
2.公的医療保険(Medicare)の適用外である可能性
3.高額な医療費への備え
4.予期せぬトラブルへの備え
それぞれ解説します。
【1-1.留学生の場合】
カナダでは、一部の州で留学生に保険加入を義務付けています。例えば、ブリティッシュ・コロンビア州(BC州)では、学生ビザで6ヶ月以上滞在する場合、BC州の医療保険「MSP」(月$75)に必ず加入しなければなりません。
また、申請から加入までに3ヶ月の待機期間があるため、その間をカバーする他の保険への加入も必要です。
参照:How to Apply|Government of British Columbia
【1-2.ワーキングホリデーの場合】
ワーキングホリデーの場合、入国時に保険証書の提示を求められることがあります。これは、ワーキングホリデービザ申請条件の一環となっているためです。未加入の場合、ビザ違反に該当します。また、以下の補償内容が含まれている保険が求められます。
・医療費の補償
病気やケガの治療費をカバーすることは、安心して滞在生活を送るための基本です。
・入院費用の補償
万が一、事故や重篤な病気で入院が必要になった場合の高額な費用をカバーします。
・本国送還の補償
重病や負傷、あるいは死亡した場合に母国への送還費用を保証することも求められます。これは、州の公的医療保険では対応できないため、必ず個別の保険で備える必要があります。
たとえ保険に加入していても、上記の補償内容が不足している場合には、入国を拒否される可能性があります。ワーホリでカナダへ渡航する場合は、事前に補償内容を十分に確認して保険を選びましょう。
カナダでは「Medicare」と呼ばれる公的医療保険制度を基盤としており、各州や地域が運営しています。州ごとに運営の仕方が若干異なりますが、この制度は税金で賄われているため、カナダ国民や永住者であれば主たる医療サービスは無料で受けられます。
しかし、留学生やワーキングホリデーの参加者はこの「Medicare」の対象外である場合がほとんどです。そのため、病気やケガをした際は高額な医療費を全額自己負担するリスクがあります。
一部の州では、留学生やワーキングホリデー参加者が州の公的医療保険に加入できる場合もありますが、加入までに待期期間が設けられています。その間のリスクをカバーするためにも、民間保険への加入が推奨されています。また、カバーされる医療サービスには限りがあり、以下のような治療やサービスは全額自己負担となっています。
・歯科診療
・処方薬(入院中は無料)
・リハビリ治療
「Medicare」の対象になったとしても、これらの費用を補うために追加の保険に加入することが推奨されます。
カナダでは、保険なしでの医療費が非常に高額になります。以下は、ケベック州の医療費の一例です。
・救急診察費:約1000カナダドル(約10万円)
・日帰り手術:約4700カナダドル(約50万円)
・入院費(1日あたり):約5000カナダドル(約54万円)
・ICU(1日あたり):約1万6700カナダドル(約180万円)
※1カナダドル=108円で計算しています。
これらの医療費を避けるためにも、保険は必須です。
参照:旅行前の準備・確認事項|在モントリオール日本国総領事館
海外生活では、病気やケガ以外にも、以下のようなトラブルが起こる可能性があります。日本よりも軽犯罪(すり・ひったくり、置き引き、レンタカーを対象とする車上狙いなど)が多いカナダでの滞在を安心して過ごすためにも、以下のような保険の加入を検討することをおすすめします。
保険の種類 |
主な補償内容 |
必要性 |
医療保険 |
病院での診察、入院、手術費用などをカバー |
カナダの高額医療費対策として必須 |
緊急搬送・救急保険 |
救急車や航空機での搬送費用、事故後の搬送費用 |
緊急時の高額な搬送費用にも対応 |
個人賠償責任保険 |
他人の身体や財産に損害を与えた場合の賠償費用 |
日常生活でのトラブルに備えるために推奨 |
携行品損害保険 |
所持品の盗難や破損に対応 |
高価な電子機器や貴重品を保持する場合に推奨 |
キャンセル保険 |
フライトや宿泊のキャンセル費用をカバー |
渡航前後の急な予定変更に備えるために便利 |
カナダ留学やワーホリビザ保持者が加入できる保険の種類は様々です。ここでは、大きく4つの分類に分けて見ていきましょう。
1.カナダの保険
2.日本の保険会社が提供する保険
3.クレジットカード付帯の保険
4.国際的な保険会社の保険
それぞれ解説します。
カナダ国内で提供される保険は、カナダの医療制度に適応した補償内容が特徴です。カナダでは州や地域によって利用可能な保険が異なり、次のような選択肢があります。
【州の公的医療保険】
一部の州では、留学生やワーホリビザ保持者も公的医療保険に加入できます。この保険では、医師の診察や入院費用などがカバーされる一方で、歯科治療や処方薬は補償対象外となる場合が多いです。
ext.ブリティッシュコロンビア州「MSP」、アルバータ州「Saskatchewan Health」など
【民間保険(カナダ内)】
公的医療保険に加入できない場合や補償を拡充したい場合に、現地の民間保険が利用されます。留学生やワーホリ向けのプランが提供されており、衣料費や救急搬送費、処方薬、賠償責任などを幅広く補償してくれます。
ext.Guard.me、Manulife、Allianz Canadaなど
日本の保険会社が提供する保険の特徴は以下の通りです。
・日本語でのサポートが充実している
・渡航前に日本で契約を済ませておけるため安心
・補償範囲が広い
・長期契約になるほど保険料が高くなる
ext.東京海上日動、ジェイアイ傷害火災保険(たびほ)、AIG損保、三井住友海上など
クレジットカードに付帯している海外旅行保険は、カード所持者が無料または年会費のみで利用できる点が魅力です。通常、一定期間(90日間)の医療費や盗難、賠償責任を保証します。
ただし、補償費が低めで、歯科治療や緊急帰国費用が対象外の場合が多い点に注意が必要です。長期滞在者は期間延長ができないため、別途保険への加入を検討する必要があります。
国際的な保険会社が提供するプランは、世界中での利用を想定して設計されており、カナダ以外の国を訪問する場合にも便利です。医療費や救急搬送、処方薬、賠償責任などをカバーし、オプションで歯科治療やリハビリテーションを追加することも可能です。
ext.World Nomads、IMG Global、Cigna Globalなど
カナダ留学・ワーホリ向けに提供されているおすすめの海外旅行保険は以下の3つです。
1.ジェイアイ傷害火災保険のt@biho(日本の保険)
2.AIG損保の海外留学生保険・ワーホリの保険(日本の保険)
3.Allianz Global Assistannceのビジター保険(カナダの民間保険)
それぞれ解説します。
ジェイアイ傷害火災保険のt@biho(タビホ)は、海外旅行や留学を検討している方向けに手頃な価格で充実した補償を提供する海外旅行保険です。短期から長期までのプランがあり、補償内容もカスタマイズできることが魅力です。
【ジェイアイ傷害火災保険のt@biho(タビホ)の特徴】
1.カナダにオフィスがあるため現地での対応が早い
2.保険料がリーズナブルでニーズに合わせた補償が選べる
3.契約手続きは簡単で24時間オンラインから加入できる
4.長期滞在向けプランも選択できる
【補償内容】
保証内容 | 補償費用 |
治療・救援費用 |
病気やケガによる医療費、入院費用、救急車利用費用を補償 →最高1億円まで選択可能 |
賠償責任 |
海外で第三者に損害を与えた場合の賠償責任を補償 →最高1億円まで選択可能 |
携行品損害 |
携行品が盗難・破損した場合の補償(スマートフォンやカメラ等) →1事故あたり最高50万円まで(免責額3,000円) |
救援者費用 |
海外での緊急事態における家族の渡航費用や宿泊費を補償 →最高500万円までカバー |
死亡・後遺障害保険金 |
傷害事故による死亡・後遺障害に対する補償 →最高1,000万円まで選択可能 |
航空機遅延補償 |
飛行機の遅延や欠航により発生した費用を補償(食費・宿泊費等) →最大3万円 |
最近、テロなど不測の事態への備えに「テロ等対応保険金」や「旅行キャンセル費用」、「旅行中断費用」、「航空機遅延費用(定額払型)」など、オプションが豊富な海外旅行保険が増えています。t@bihoもその一つです。
【保険料】
保険料は補償内容や渡航期間、年齢に応じて異なります。以下は、渡航期間1週間の場合の保険料例です(30歳以下の場合)。
補償内容 | 保険料(1週間) |
治療・救援費用1,000万円 | 約2,000円 |
治療・救援費用5,000万円 | 約3,500円 |
治療・救援費用1億円 | 約5,000円 |
カナダ医療保険と海外保険・SIMカードについて
AIG損保は、海外留学生・ワーホリ参加者に特化した保険プランを提供しています。特にカナダのような医療費が高額な国で安心して生活するための充実した補償が魅力です。初めての海外生活で、医療費や緊急事態の対応の安心感を重視したい方におすすめの保険です。
【AIG損保の海外留学生保険・ワーホリ保険の特徴】
1.治療・救援費用を無制限に補償
2.24時間365日、日本語での緊急支援サービス
3.キャッシュレス治療が可能
4.保険加入の証明書の発行が無料
5.最高加入期間は1年
【補償内容と保険金(保険期間1年)】
契約タイプ |
歯科治療費用あり プラン |
歯科治療費用なし プラン |
|
TP4 |
8P4 |
||
補償内容 |
補償費用(限度額) |
||
傷害死亡 |
3000万円 |
3000万円 |
|
傷害後遺障害 |
90~3000万円 |
90~3000万円 |
|
治療・救援費用 |
無制限 |
無制限 |
|
歯科治療費用 |
10万円 |
補償なし |
|
疾病死亡 |
2000万円 |
2000万円 |
|
個人賠償責任 |
1億円 |
1億円 |
|
生活用動産補償(長期用) |
50万円 |
50万円 |
|
航空機寄託手荷物遅延 |
10万円 |
10万円 |
|
航空機遅延費用 |
2万円 |
2万円 |
|
保険金 |
29万1800円 |
27万6430円 |
歯科治療費用ありのプランの場合は保険期間6ヶ月以上から、歯科治療費用なしのプランの場合は保険期間32日以上のプランから加入できます。保険料を抑えたい方は補償費が低いプランを選びましょう。
【オプション特約】
保険期間3ヶ月以上から、オプションに「緊急一時帰国費用」を追加ができます。緊急一時帰国費用のオプションを追加した場合、保険期間1年の保険料は以下の通りです。
補償費 |
保険料 |
40万円 |
1万130円 |
70万円 |
2万2970円 |
100万円 |
3万2820円 |
Allianz Global Assistannceのビジター保険は、カナダ留学やワーキングホリデーを考えている方々にとって、非常に便利で信頼性の高い保険です。各州の公的医療保険の待機期間中の方も加入できます。
【Allianz Global Assistannceのビジター保険の特徴】
・突発的で緊急度の高い病気、けがにかかる費用を補償
・1日単位での加入が可能
・保険加入期間の49%以下であれば、カナダ国外(日本などの出身国を除く)でも補償が適用される
・最高加入期間は1年
【補償内容】
補償内容 |
補償費用 |
緊急治療費用 |
急性で突発的な傷害・疾病の治療費(入院、外来)、救急車利用費、救急を要するレントゲンなどの検査費用が、選択した補償限度額2万5000、5万、10万、50万カナダドル(約270万、540万、1080万、5400万円)までカバー可能 |
処方箋薬 |
30日間を限度に、最大1000カナダドル(約10万8000円) |
付き添い看護師費用 |
最大1万カナダドル(約108万円) |
継続治療費用 |
初診時の治療をAllianz Global Assistannceに事前報告してある場合のみ、補償限度額内でカバー可能 |
専門医の緊急傷害医療行為 |
理学療法士やカイロプラクターなどの治療費 最大500カナダドル(約5万4000円) |
医療器具のレンタル料 |
車いす、松葉杖などの必要な医療器具のレンタル料 事前承認の上での補償 |
歯科治療費用 |
事故による顔面打撲が原因の歯科治療の場合 →最大4000カナダドル(約43万2000円) 新規の緊急歯痛緩和の治療の場合 →最大500カナダドル(約5万4000円) |
緊急帰国費用 |
被保険者の傷害・疾病により帰国が必要と承認された場合 最大3000カナダドル(約32万4000円) |
家族の渡航費用 |
1人分の往復エコノミー航空券費など →最大3000カナダドル(約32万4000円) 食費と宿泊代 →最大1000カナダドル(約10万8000円) |
遺体の本国送還費用 |
送還 →最大1万カナダドル(約108万円) 死亡場所での埋葬・火葬 →4000カナダドル(約43万2000円) |
傷害死亡保障 |
選択した補償限度額と同額が支払われます。 |
【保険料】
保険料は、年齢と選択する補償限度額によって異なります。例えば、25歳以下の方の場合、保険料は以下の通りです。
補償限度額 |
保険料(1日) |
最高保険料(365日) |
2万5000カナダドル (約270万円) |
2.34カナダドル (約252円) |
854カナダドル (約9万2232円) |
5万カナダドル (約540万円) |
2.69カナダドル (約290円) |
981カナダドル (約10万5948) |
10万カナダドル (約1080万円) |
3.41カナダドル (約368円) |
1244カナダドル (約13万4352円) |
50万カナダドル (約5400万円) |
7.36カナダドル (約794円) |
2686カナダドル (約29万88円) |
カナダを拠点とする保険代理店BIIS(Bridges International Insurance Service)では、カナダの高額な医療費を考慮し、補償限度額は最低でも5万カナダドル以上をおすすめしています。
引用:Allianz|Bridges International Insurance Service
保険選びで押さえておきたいポイントや注意点は以下の4つです。
1.医療保険のカバー範囲
2.24時間サポートサービス
3.保険料と自分の予算
4.現地オフィスの有無
それぞれ解説します。
カナダは医療費が高額になることがあるので、十分な医療保険が必要です。病気やケガの治療費、病院の救急対応、手術費用、入院費などが含まれているかを確認しましょう。
特に、ワーホリでカナダへ渡航する方は、医療費・入院費・本国送還費の補償が含まれている保険でなければ入国を拒否される可能性があるので注意しましょう。
【補償範囲の確認】
留学やワーホリ中には、事故やトラブルに備えて、損害賠償責任や盗難、キャンセル費用の補償も重要です。万が一のトラブルにも対応できる保険を選ぶと安心です。
カナダで何か問題が起きた際に、24時間対応してくれるサポートサービスがあると心強いでしょう。日本語でサポートが受けられる保険を選ぶと、言葉の壁を心配せずに済みます。
留学やワーホリは長時間にわたるため、保険料が高額になりがちです。保険料が予算に合っているか、必要なカバーをしっかり抑えつつも無理のないプランを選びましょう。
【解約・延長の柔軟性】
予定が変わることも考慮して、保険契約が簡単に解約できるか、延長できるかをチェックしておくと便利です。
【特約の確認】
留学やワーホリ中に特別な活動(スポーツ、アルバイトなど)を行う場合、その内容が保険の対象に含まれているかも確認しておきましょう。
海外旅行保険を選ぶときに抑えておくべきポイントとして、現地オフィスがあるかないかを確認することが挙げられます。万が一、留学先でトラブルに遭った場合に、現地オフィスがある保険会社なら対応がスムーズです。
一方で、日本にしかオフィスがない保険会社の場合、国際電話で連絡する必要があったり、時差によって対応できない時間が生まれたりする可能性があります。たとえば、「t@biho」を提供するジェイアイ傷害火災保険は、日本の保険会社でありながらカナダオフィスがあります。トラブルのときに現地オフィスに相談、問い合わせが可能です。
カナダ留学・ワーホリは、人生にとって貴重な経験となるでしょう。しかし、海外での生活には、思わぬトラブルがつきものです。高額な医療費もその一つと言えます。
この記事では、カナダの保険事情や、おすすめの保険、保険選びのポイントについて詳しく解説しました。保険選びは、留学・ワーホリを成功させるための重要なステップです。この記事を参考に、自分にぴったりの保険を見つけて、安心してカナダでの生活をスタートさせてください。
IAJP留学センターでは、カナダ留学・フィリピン留学に関するお悩み相談を無料で受け付けています。ぜひお気軽に、公式LINEまたは問い合わせフォームからご連絡ください。
野澤治子
NPO留学協会認定資格(NO62057)カナダ専門留学アドバイザー。
カナダ(トロント、バンクーバー)で4年滞在。
バンクーバで留学カウンセラーとして年間900人以上の留学生をサポートしてきました。
自分が留学した際に経験して感じたことや失敗談をなど自分のカナダでの留学経験を活かし「最初の1歩を踏み出す後押しができる」そんな「留学アドバイザー」でいれたらと思います。 特にカナダワーキングホリデーの中でも私は「ギリホリ」を経験者なので「キャリアアップ」につなげたい社会人の方応援します! また2人の子供がいるので私の経験を活かしお子様の英語教育から高校留学など少しでも英語や留学を身近に感じていただけるお手伝いをさせていただきます。気軽に相談下さい。