
最終更新日:2025年1月15日
目次
「カナダ入国でeTAが必要な人はどんな人?」
「カナダのeTAと観光ビザの違いは?」
「eTAの申請方法や有効期限の確認方法を教えてほしい!」
これからカナダに入国・留学する方の中には、「eTA(電子渡航認証)」という言葉を聞いたことがある方が多いでしょう。eTAは、観光や短期留学が目的でカナダに入国する日本人にも申請の義務があります。
そこで本記事では、カナダ入国にeTAが必要となる人の条件や申請方法について記入例を挙げつつ解説します。また、有効期限の確認方法や空港での対応の流れ、よくある質問についても紹介します。トラブルを回避するためにも、ぜひ最後までご覧ください。
カナダに入国するためには、「eTA(イータ)」と呼ばれる電子渡航認証が必要です。ここからは、カナダ入国における日本のパスポートの位置づけを確認したうえで、eTAの特徴や取得が必要となる人の条件について紹介します。
そもそもビザ(査証)とは、渡航先の国が外国人に対して入国を許可するために発行する証です。パスポートの信用度が高い国や地域からの渡航者は、ビザが免除されることもあります。
カナダでは、日本のパスポートを持っている方であれば、6か月以内の短期滞在に限り、ビザを免除しています。そのため、6か月以内で観光や短期留学を目的として、日本人がカナダに入国する場合、ビザを申請・取得する必要がありません。
カナダに入国するときにeTAの申請・取得が必要な人と必要でない人の条件はこちらです。
日本人でeTAが必要な人 |
・ビザ免除国(日本)の国籍を持っている ・カナダに飛行機(空路)で入国する ・カナダでは6か月以内の期間で滞在する |
日本人でeTAが必要でない人 |
・アメリカ国籍を保有している ・有効なカナダ入国ビザを保有している ・カナダの永住権(PRカード)を保有している ・カナダに車やバス、鉄道(陸路)またはクルーズ(海路)で入国する |
基本的に、日本人が飛行機でビザを持たずにカナダに入国する場合は、ほぼ全員がeTAを申請・取得する対象者となります。たとえば、カナダの語学学校へ短期留学に行く場合や、短期間の観光旅行は事前にeTAの申請が必要です。
また、カナダ国内の空港で乗り継ぎして、ほかの国や地域へ出かける場合も、eTAの必要条件に該当するため注意しましょう。
(※カナダのビザ免除国は、日本以外にも韓国、中国、オーストラリア、イギリス、フランスなど、50以上の国と地域から構成されています。)
カナダのeTAは、2~3分ほどでオンラインから申請できる簡単なものです。承認されると、パスポートに電子的にリンクされます。ほかにも、eTAは以下のような特徴があります。
・一度申請すると有効期限は最長5年間
・申請手数料はクレジットカードでのみ支払いが可能
・有効期限内であれば何度でもカナダへの短期滞在(6か月以内)が可能
カナダのeTAは、2016年3月15日から義務化されています。有効期限や支払い方法について注意しつつ、しっかりと事前に準備を進めておきましょう。
上記の動画では、eTAについての情報がわかりやすくまとめられています。申請の手続きについて不安が残る方は、一度目を通しましょう。
参照:電子渡航認証 (eTA) を申請する|カナダ政府ホームページ
カナダのeTAは、観光ビザや学生ビザと混同されることがあります。それぞれの違いは以下の通りです。
eTA | 観光ビザ | 学生ビザ | |
滞在期間 | 6か月以内 |
原則6か月以内 (最長1年に延長可能) |
学校のプログラム期間+最長90日 |
就学 | 〇 | 〇 |
〇 (6か月未満は不認可の可能性あり) |
就労 | × | × |
原則× (条件付きで可能) |
発行までの時間 | 約5分 | 約1か月 | 約2か月 |
eTAは、実質的に観光ビザと大きな違いはありません。一方で、学校が提供するプログラムの期間内に限られる学生ビザとは、有効期限の長さが異なります。
カナダのeTAを申請・取得するまでの流れは以下の5ステップです。
1.申請に必要な書類を準備する
2.カナダ移民局の公式サイトから申請ページを開く
3.提示される質問項目に回答する
4.クレジットカードで申請手数料を支払う
5.登録したアドレスに届く申請完了のメールを確認する
ここからは、eTA申請の手順をステップ別に解説します。
申請に必要な書類は以下の3つです。
パスポート |
・有効期限が切れていないもの (※eTAの有効期限は最長5年間ですが、パスポートの有効期限がそれより短い場合は、パスポートの有効期限がeTAの有効期限となります。) |
クレジットカード |
・VISA、Masterなど国際送金ができるブランド (※eTAは、オンラインで申請から支払いまでを完結します。申請手数料は7カナダドルです。) |
メールアドレス |
・送受信が有効なメールアドレス (※登録したアドレス宛に申請完了の通知が届きます。) |
留学・旅行の準備中に合わせて用意しておきましょう。
eTAは、カナダ移民局のホームページから申請できます。受付は基本的にオンライン(インターネット上)のみです。
また、一度に申請できるのは1人分までとなります。たとえば、3人家族でカナダに入国する場合は、3回に分けて代理・申請するか、それぞれの端末からそれぞれが申請する必要があります。
参照:Electronic travel authorization (eTA): How to apply|Government of Canada
eTAの申請ページにログインすると、以下の質問項目が順に表示されます。
親・保護者または代理人に関する情報 | 自分の申請か、保護者や代理人からの申請かを選択 |
渡航文書の選択 | 基本的には一般的なパスポートを選択 |
パスポートの情報 | 発給国・国籍・パスポート番号・姓名・生年月日、性別、出生国・領土および市町村名を入力 |
申請者に関する個人情報 | 職業、住所、渡航予定、犯罪歴、過去の入国拒否の有無などを入力 |
同意と宣誓 | チェックボックスにチェックを入れてサイン(署名) |
(※本記事を下にスクロールすると、実際の入力画面の記入例を見ることが可能です。画像を見ながら申請を進めたい方は、ぜひそちらを参考にしてください。)
すべての質問に回答すると、申請手数料の支払い画面に移行します。申請手数料は7カナダドルです。
支払い方法は、国際ブランドのクレジットカードです。たとえば、VISAやMaster、American express、JCBなどのブランドのクレジットカードを手元に用意して、情報を入力しましょう。
申請が完了すると、質問項目で登録したメールアドレス宛に、「結果通知書(POE)」という文面のメールが届きます。
Other than United States citizens, if you are from a country/territory which does NOT require a temporary
resident visa ( ), or if you are a permanent resident of the United States, you have also been issued an Electronic Travel Authorization (eTA). Your eTA is valid for multiple visits to Canada, until (yyyy/mm/dd). Your eTA number is J●●●●●●●●●and is linked to the passport you
used when you applied to work in Canada. If you obtain a new passport before (yyyy/mm/dd), you
will need to apply for a new eTA by visiting .
このときに、Jから始まる10ケタの「eTA number」が記載されていることを確認しましょう。また、追加資料の提出が必要な場合は、結果通知書(POE)ではなく、その旨の通知がメールに届きます。その内容に従って、速やかに再申請しましょう。
カナダのeTAを申請するときの質問項目と具体的な記入例について紹介します。
画像引用:電子渡航許可 (eTA) 申請ヘルプガイド |Government of Canada
申請者本人の申し込みの場合は「No」を選択してください。また、未成年の子どもまたは代理での申し込みの場合は、該当項目の「Yes」を選択します。
代理として申請する場合は、ステップ2に進む前に代理人本人の情報入力が必要です。
カナダに渡航するために用意した渡航文書を選択します。留学や旅行目的の日本人は、基本的に全員が「パスポート 一般/通常 (Passport - ordinary/regular)」を選択します。
パスポートに記載された情報を正確に入力します。
まず、パスポートに記載されている発給国と国籍を選択します。
続けて、パスポートに記載された内容を入力していきます。誤った情報を入力して申請した場合、カナダ入国ができない可能性があります。慎重に作業しましょう。
パスポートに記載された通りに、生年月日や性別、出生国を入力・選択します。「出生地(City/town of birth)」の欄にはパスポートに印字された出生地の市町村名を入力してください。
パスポートの発行日と有効期限を選択します。
ここでは、使用するパスポート以外の国籍や婚姻状況、過去にカナダに入国した、または滞在したことがあるかなどの個人に関する情報について質問があります。
日本以外に国籍をお持ちの方は、その国籍を選択します。また、過去にカナダ入国のためにビザを発行した経験のある方は、申請者識別番号を入力します。
リストにある項目に完全に一致する内容のものがない場合は、類似する職業を選択してください。
ここで登録したアドレス宛に申請完了メールが届きます。タイプミスがないように有効なメールアドレスを入力しましょう。
通常滞在する場所の住所を入力してください。仮住まいやホテルの住所ではないため注意しましょう。
渡航日が決まっている場合は、フライトスケジュールを入力しましょう。
ここでは、申請者の過去の情報を質問しています。日本語で解説すると以下の内容です。
1. カナダあるいは別の国・地域の入国ビザや許可の申請を却下された、入国を拒否された、または、カナダやその他の国・地域からの退去を命じられたことがありますか?
2.どこの国・地域かに関わらず、これまでに、犯罪を犯した、犯罪のために逮捕・起訴された、あるいは有罪判決を受けたことがありますか?
3.過去2年間に、結核と診断された、あるいは、結核患者と接触したことがありますか?
4.未治療の梅毒、未治療の薬物・アルコール中毒、未治療の精神病(妄想・幻覚を伴う精神障害)のいずれかの健康上の問題がありますか?
この質問に一つでも「Yes」と答えた場合は、円滑に申請を進めるためになるべく詳細な情報を入力するように努めてください。
入力した項目に間違いがないことを制約する文書です。
eTAの有効期限は、カナダ移民局のホームページから確認できます。手順は以下の通りです。
1.カナダ移民局のホームページにアクセスする
2.「Check your status」を選択する
3.「I am a new applicant. I want to check my status.」を選択する
4.必要な情報を入力して有効なeTAを確認する
カナダのeTAには最長5年間の有効期限があります。一方で、パスポートの有効期限が5年未満の場合、そのパスポートの有効期限がeTAの有効期限となります。すでにカナダに渡航歴がある方でも、事前にeTAの有効期限を確認しておきましょう。
カナダのeTAを申請して入国するときの注意点は、以下の2つです。
1.追加の資料の提出を求められたときは承認まで数日かかる場合もある
2.eTAを保有していても入国審査で入国を拒否される可能性はある
eTAは2分から3分ほどで申請が完了して、承認までの時間も約5分程度です。一方で、必要書類に不備があったり、申請情報に誤りがあったりすると、承認までに時間が必要な場合があります。
また、特定の条件に満たしていない場合は、eTAを保有していてもカナダ入国できない場合があります。入国審査が終わるまでは安心しすぎないようにしましょう。
ここからは、カナダ入国に必要なeTAに関するよくある質問に回答します。
カナダのeTAは、フライト日の15日前までを目安に申請・取得することがおすすめです。フライト直前に申請すると、追加資料を求められたときなどに対応できない場合があります。
カナダ留学や旅行の日程が決まったら、手荷物の準備と同時に、あらかじめeTAの申請手続きを済ませておきましょう。
カナダのeTA申請が通らない場合に考えられる主な理由は、以下の通りです。
・過去にビザの申請が拒否されている
・オーバーステイ・不法就労
・強制退去・入国拒否
いずれかの経験がある方は、eTAが認められない可能性があります。事前にカナダ移民局に問い合わせをして、別途必要書類を揃えてビザを申請することになります。
eTAはパスポートに電子的に内蔵された証明書です。カナダ行きの飛行機に乗る前に、搭乗口でスキャンして確認しています。
そのため、カナダの空港に到着してから入国するまでの間で、eTAの提示を求められることはありません。ただし、入国審査のときにeTA認証済みのパスポートかどうかは確認されます。
カナダの空港に到着してからの流れは以下の通りです。
1.空港職員の指示や空港内の看板に従い入国審査の会場まで進む
2.キオスクの機械に入国者の個人情報を入力してレシートを受け取る
3.入国審査官に対してレシートとパスポートを提出する
4.預入荷物のピックアップをして空港を出る
当日に焦ることがないように、流れを自分でシミュレーションしておくことがおすすめです。
日本とカナダは協定を結んでいるため、6か月以内の滞在であればビザが免除されます。しかし、日本人であってもカナダへの入国にはeTA(電子渡航認証)の申請・提示が必要です。
これからカナダへ旅行・留学に行く方は、準備の段階でeTA(電子渡航認証)の申請を済ませておきましょう。IAJP留学センターでは、カナダ留学に関する情報提供のほか、ビザの申請サポートや留学先のアドバイス、語学学校の紹介などを提供しています。
学生からの相談料や紹介料はいただいておりません。少しでもカナダへの語学留学やワーキングホリデーに興味がある方は、お気軽に公式LINEまたは問い合わせフォームよりご連絡ください。
野澤治子
NPO留学協会認定資格(NO62057)カナダ専門留学アドバイザー。
カナダ(トロント、バンクーバー)で4年滞在。
バンクーバで留学カウンセラーとして年間900人以上の留学生をサポートしてきました。
自分が留学した際に経験して感じたことや失敗談をなど自分のカナダでの留学経験を活かし「最初の1歩を踏み出す後押しができる」そんな「留学アドバイザー」でいれたらと思います。 特にカナダワーキングホリデーの中でも私は「ギリホリ」を経験者なので「キャリアアップ」につなげたい社会人の方応援します! また2人の子供がいるので私の経験を活かしお子様の英語教育から高校留学など少しでも英語や留学を身近に感じていただけるお手伝いをさせていただきます。気軽に相談下さい。