目次
「カナダ移住のためにワーキングホリデーは効果的?」
「カナダの永住権の条件が厳しくなっているってホント?」
「カナダの永住権を取得するためのポイントとは?」
海外移住に興味がある方の中には、治安が良くて教育水準が高いカナダを選択肢の一つとしている方も多いでしょう。永住権取得のために、ワーキングホリデーやコープ(Co-op)留学、ポスグラ(PGWP)申請を視野に検討することがおすすめです。一方で、カナダの永住権の条件は近年厳しく評価されつつあります。
そこで、本記事ではカナダに移住するメリット、デメリットを解説したうえで、永住権を取得するためのポイントを紹介します。カナダ留学から移住までのプロセスを丁寧に解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
カナダは世界でも生活の質が非常に高い国の一つとして知られています。公共サービスやインフラが整っており、犯罪率が低く治安が良いことで有名です。ここでは、カナダに移住する9つのメリットを紹介します。
・カレッジ(専門学校)や大学の学費が安くなる
・公立の中学・高校、語学学校の学費が無料になる
・病院の医療費が無料になる(薬は有料)
・雇用主の制限がなく、仕事に受かりやすい
・仕事とプライベートのバランスが良い
・日本より給与水準が高い
・就労時間や滞在時間に制限がない
・災害が少なく、住宅環境が優れている
・教育水準が高く、国際的な視野が広がりやすい
カナダでは、人口約4,010万人のうちの5人に1人の方が移民出身者です。都市部で日本人が歩いていても外国人扱いされることはほとんどありません。
カレッジ(専門学校)や語学学校では、留学生用の料金とカナダ人用の2つの学費があることが一般的ですが、永住権を取得すれば割安であるカナダ人用の学費が適用されます。さらに、日本同様に社会福祉制度が充実しているため、万が一の経済的なトラブルや失業時にも安心して生活できることが魅力です。
参照:カナダ基礎データ|外務省
日本で生活してきた方が、これからはカナダで生活していくとなると、文化や制度の違いに戸惑いを感じる方も多いでしょう。カナダに移住するデメリットは4つです。
・5年に一回の更新が必要になる
・永住権申請の難易度が高い
・お店や医療機関は混んでいることが多い
・冬の期間が長く、寒さが厳しい
カナダでは日本よりも労働者の意見が強く反映されているため、ストライキでお店が休業していたり、長期休暇中で商業施設が閉まっていたりする場合があります。
また、病院の医療費が無料であることで、医療機関の待ち時間が長いこともデメリットです。「かかりつけ医の紹介状」→「専門医の受診」という順序が基本であるため、日本よりも不便に感じることもあるでしょう。メリットとデメリットを比較して検討することをおすすめします。
カナダの永住権を申請するためには、まず申請するプログラムの種類を決定する必要があります。
・エクスプレス・エントリー(Express Entry)
・州指名プログラム(Provincial Nominee Program|PNP)
・家族スポンサーシップ(Family Sponsorship)
・ケアギバー・パイロットプログラム(Home Child Care Provider and Home Support Worker Pilot)
・スタートアップビザプログラム(Start-up Visa Program)
・アトランティック・イミグレーション・プログラム(Atlantic Immigration Program|AIP)
ここからは、それぞれのプログラムの特徴や申請のための条件について解説します。
エクスプレス・エントリーは、カナダ国内で働きたい移民を対象としています。最も一般的な永住権の申請方法です。カナダ移民局が2015年に開始したプログラムで、2週間に一度抽選が行われて、ポイントが高い方から順番に永住権が付与される仕組みです。労働者(ワーカー)としての専門性やスキルが重要となります。
一般的な条件項目 | 詳細・目安 |
語学試験 | IELTSならレベル6、CELPIPならレベル7程度 |
学歴 | 高等教育機関の卒業証書、学位、または同等の資格を保有 |
職歴 | 過去10年間で1年以上のフルタイム勤務実績 |
年齢 | 若いほど有利 |
適応能力 | カナダの仕事や家族などがあれば有利 |
エクスプレス・エントリーで永住権を取得するためには、ポイントを上げる必要があります。また、以下のカテゴリのどれかに該当することが条件です。
・フェデラル・スキルド・ワーカー(Federal Skilled Worker Program|FSWP)
・フェデラル・スキルド・トレード(Federal Skilled Trades Program|FSTP)
・カナディアン・エクスペリエンス・クラス(Canadian Experience Class|CEC)
カナダにあるそれぞれの州、準州で、経済や労働市場のニーズに応じて移民を指名することができます。募集がある州で永住権を取得したい方におすすめのプログラムです。
一般的な条件項目 | 詳細・目安 |
雇用オファー | 州内での雇用オファーがあると有利 |
語学能力 | 英語やフランス語のスキルが求められる場合がある |
カナダの市民権を持つ方や永住者が親族にいる場合、その配偶者、子ども、親、または祖父母に永住権を取得できます。家族をカナダに移住させることができるプログラムです。
一般的な条件項目 | 詳細・目安 |
スポンサー資格 |
・18歳以上でカナダ市民または永住者 ・経済的にサポートできる証明が必要 |
永住権の取得資格 | 配偶者(法律婚、内縁、同性パートナー)、扶養家族、養子など |
カナダで介護職として働くことを希望する方向けのプログラムです。コープ(Co-op)留学と組み合わせることで永住権を取得できる可能性が高まります。
一般的な条件項目 | 詳細・目安 |
雇用オファー | カナダ国内の雇用主からのオファーが必要 |
語学能力 | 英語またはフランス語の語学能力を証明することが必要 |
学歴 | 高等教育機関の卒業証書、学位、または同等の資格を保有 |
職歴 | カナダで指定された介護職としてのフルタイムの労働経験が必要 |
カナダで新しいビジネスを立ち上げたい方向けのプログラムです。
一般的な条件項目 | 詳細・目安 |
ビジネスアイデア | カナダ政府認定の組織からの支援が必要 |
語学能力 | 英語またはフランス語の語学能力を証明することが必要 |
資金 | 生活費をカバーするための十分な資金を持っていること |
アトランティック地方で労働者として雇用を受ける方に向けたプログラムです。以下の地域に該当する方は申請ができます。
・ニューファンドランド・ラブラドール
・プリンスエドワード島
・ノバスコシア
・ニューブランズウィック
一般的な条件項目 | 詳細・目安 |
雇用オファー | アトランティック地方での雇用者からのオファーが必要 |
語学能力 | 英語またはフランス語の語学能力を証明することが必要 |
学歴・職歴 | 地域ごとに指定された基準に従い学歴や職歴を満たしていること |
カナダの永住権を申請して取得するまでにはいくつかのステップを踏む必要があります。日本留学生がカナダの永住権を取得するための代表的な方法「エクスプレス・エントリー(Express Entry)」申請の流れは以下の通りです。
1.自分に合ったプログラムを確認する
2.CRSポイントを自己評価する
3.プロフィールを作成・登録する
4.招待状を受け取る
5.必要書類を準備・申請する
ここからは、具体的な方法や流れについて解説します。
エクスプレス・エントリーは、以下の3つの移民プログラムから選択する必要があります。
プログラム | 主な条件 |
フェデラル・スキルド・ワーカー (Federal Skilled Worker Program|FSWP) |
・技能レベルTeer3以上 ・英語(フランス語)レベルCLB7以上 ・過去10年以内に1年以上海外で就労経験があること |
フェデラル・スキルド・トレード (Federal Skilled Trades Program|FSTP) |
・カナダ国内外を問わず過去5年以内に2年以上の就労経験があること ・指定のトレード職での就労経験であること ・ほかのプログラムに比べて最低点数が低い |
カナディアン・エクスペリエンス・クラス (Canadian Experience Class|CEC) |
・技能レベルTeer3以上 ・フルタイム(週30時間以上)の就労経験 ・ポスグラビザ、ワーホリビザなどの有効期間中の就労経験 |
該当するプログラムを確認して、申請計画を立てておきましょう。
エクスプレス・エントリーの申請者は「Comprehensive Ranking System(CRS)」と呼ばれるポイントシステムで評価されます。以下が評価項目の一例です。
・年齢:若いほどポイントが高い
・学歴:カナダの大学・カレッジ(専門学校)を卒業すると加点される
・職歴:カナダで1年以上の就労経験が必要となる
・言語能力:英語ならIELTSやCELPIP、フランス語ならTEFのスコアが評価される
・雇用オファー:カナダの雇用主から直接オファーがあった場合は加点される
・配偶者:配偶者がいる場合はその方の英語力やスキルが評価される
CRSポイントを自己評価して、十分採用基準に達している場合、エクスプレス・エントリーのプロフィールを作成して、オンライン上で申請します。登録が完了すると、申請者リストにプールされ、CRSポイントが高い順に招待状が送られます。
エクスプレス・エントリーでは、2週間に一度の頻度で「ドロー」と呼ばれる選考が行われます。選考を通過すると、申請者に招待状(Invitation to Apply|ITA)が送られます。近年のドローでは、450ポイントから500ポイントあたりがボーダーラインとなっています。
招待状を受け取ってから90日以内に、正式な永住権申請の手続きを進める必要があります。以下は申請に必要な書類の具体例です。
・雇用オファー
・パスポートのコピー
・語学試験のスコア
・収入証明書
・学歴証明書
・職歴証明書
・健康診断書
・無犯罪証明書
カナダの永住権を取得するためのコツは3つです。
・ポスグラ(PGWP)を利用して就労経験を積む
・カレッジ(専門学校)や大学を卒業して学歴を積む
・IELTSやCELPIPのスコアを高める
ここからは、それぞれのコツについて詳しく解説していきます。
カナダで専門学習を終えてから、「ポスト・グラジュエート・ワーク・パーミット(PGWP)」で就労実績を作ることで、永住権の申請に有利に働きます。いわゆる「ポスグラ」とは、大学やカレッジ(専門学校)で学んだ知識を活かして、就学した期間と同じ期間カナダに残れるビザです。
条件にもよりますが、ポスグラを使うと最大3年間カナダで働くことができます。とくに、エクスプレス・エントリーのカナディアン・エクスペリエンス・クラス(Canadian Experience Class|CEC)で、高い評価を受けることが可能です。すでにワーホリビザを使ってしまった方や、31歳以上でワーホリビザの申請ができない方におすすめです。
エクスプレス・エントリーのCRSポイントには、「カナダのカレッジ(専門学校)や大学を卒業しているか」という評価項目があります。つまり、学歴を積んでいた方が永住権の申請に有利に働きます。
とくに、2年以上の学習期間が用意されているプログラムを選択することが効果的です。卒業することで学歴によるCRSポイントの追加ができるだけでなく、ポスグラ(PGWP)の申請条件を揃えることができます。また、カナダのカレッジ(専門学校)や大学を卒業することで、就職活動で大きなメリットとなります。
学校紹介
カナダの永住権を申請するときに、英語やフランス語の能力は大きな判断材料となります。IELTS(International English Language Testing System)やCELPIP(Canadian English Language Proficiency Index Program)のスコアは高ければ高いほど、エクスプレス・エントリーのCRSポイントは上がります。語学能力に自信がない方は、語学学校の試験対策プログラムで学習するなど、留学中にスコアを高める努力をすることが重要です。
ここからは、カナダの永住権取得や移住に関するよくある質問について回答していきます。
カナダは、経済成長と人口増加を目的として、積極的に移民を受け入れています。ただし、「永住権が取得しやすい国」というわけではありません。エクスプレス・エントリーでは、語学能力やスキル、学歴、収入、年齢などの要素が総合的に評価されます。カナダの永住権を申請するときには、一定以上のCRSポイントが必要です。
カナダの永住権の申請は、最短で6か月程度です。かつては、申請から永住権の取得までに1年以上の時間がかかることが一般的でした。しかし、ポイント制のエクスプレス・エントリーが導入されてからは、招待状(ITA)を受け取るまでのプロセスが簡素化し、申請に必要な時間が一気に短縮されています。
カナダの永住権を取得している方と結婚したら、家族スポンサーシップ(Family Sponsorship)を利用して「配偶者」として永住権を申請することが可能です。一方で、家族スポンサーシップを活用する場合は、永住権保持者の経済状況や職歴などが審査対象となります。また、偽装結婚による虚偽申告を予防するために、慎重な審査が行われ、全体で1年ほどかかることが一般的です。
カナダは世界的にみても、教育水準や給与水準が高い国です。永住権を取得することで、カレッジ(専門学校)や大学の学費が安くなるだけでなく、病院の医療費は無料になります。
一方で、近年はカナダに移住することのハードルが上がっている傾向にあります。日本人留学生にとって最も一般的な申請方法であるエクスプレス・エントリー(Express Entry)は、手に職を持っている移民が優遇される仕組みです。
そのため、ワーホリやポスグラ(PGWP)で専門知識や実務経験を身につけていくことが効果的です。弊社IAJP留学センターでは、カナダへのワーキングホリデー、コープ(Co-op)留学、語学留学などを総合的にサポートしています。相談料は無料であるため、ぜひお気軽に公式LINEまたはお問い合わせフォームよりお声掛けください。
野澤治子
NPO留学協会認定資格(NO62057)カナダ専門留学アドバイザー。
カナダ(トロント、バンクーバー)で4年滞在。
バンクーバで留学カウンセラーとして年間900人以上の留学生をサポートしてきました。
自分が留学した際に経験して感じたことや失敗談をなど自分のカナダでの留学経験を活かし「最初の1歩を踏み出す後押しができる」そんな「留学アドバイザー」でいれたらと思います。 特にカナダワーキングホリデーの中でも私は「ギリホリ」を経験者なので「キャリアアップ」につなげたい社会人の方応援します! また2人の子供がいるので私の経験を活かしお子様の英語教育から高校留学など少しでも英語や留学を身近に感じていただけるお手伝いをさせていただきます。気軽に相談下さい。