
最終更新日:2024年11月27日
目次
「カナダの学生ビザの就労時間が延長されたってホント?」
「2024年11月15日に施行された新しいルールの詳細は?」
「留学生が学校を変えるのが難しくなったのはホント?」
今回のルール変更を受けて、これから学生ビザでカナダ留学に行く方の中には、上記のような疑問を抱えている方も多いでしょう。事実として、フルタイムの学生は2024年11月15日から週24時間までオフキャンパスで働くことが認められるようになりました。
また、学校変更の手続きで新しい学生ビザの申請・承認が必要となりました。一方で、カナダ政府の英文の発表だけでは、最新情報を正確に理解することは難しいでしょう。
そこで本記事では、2024年11月15日に施行された学生ビザ規制の改正点のポイントを解説します。また、変更の背景や今後の学習アドバイスなども紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
留学生のオフキャンパス労働時間が、これまでの週20時間から週24時間に延長されました。対象となるのは、カナダ政府の指定学習機関(DLI)に該当する私立・公立のカレッジ(College)、ユニバーシティ(University)、大学院に6か月以上のプログラムで通うフルタイムの留学生です。
オフキャンパスの就労とは、大学のキャンパス外で行うアルバイトやインターンシップのことです。コープ(Co-op)プログラムの有給インターンは、この規制に該当しないため注意してください。
また、「週24時間」に変更した根拠について、マーク・ミラー移民大臣は以下のように発言しています。
・留学生がオフキャンパスで働くことは、カナダでの生活費の一部を賄うのに役立つ
・一方で何よりも重要なのは、勉強することを主な目的としてカナダに来ることが重要である
(※一部抜粋)
最近のカナダとアメリカの研究によると、週28時間以上働く学生は学力が大幅に低下することが証明されています。なお、週24時間以上働く学生は、中退する可能性が高くなる傾向が出ています。これらの情勢を踏まえたうえで、オフキャンパス労働時間が週24時間に変更されました。
参照:Work off campus as an international student |Government of Canada
参照:New International Student Program regulations take effect|Government of Canada
これまでフルタイムの学生が学校を変更するときの手続きは、「DLI Number Change」を登録するのみにとどまっていました。しかし、今回の改正により、2024年11月15日以降は、転校する前に次の学校で使える学生ビザを新しく申請して、承認してもらう必要があります。
参照:New International Student Program regulations take effect|Government of Canada
留学生のオフキャンパスの就労時間延長、学校変更手続きの変更に加えて、カナダ政府は今回の改正で指定学習機関(DLI)への要望を強化しています。具体的には、以下の取り組みが発表されています。
・コンプライアンスレポートの提出義務化
・入学許可書の確認を義務化
・報告義務を怠った指定学習機関(DLI)への罰則強化
留学生を受け入れる指定学習機関(DLI)は、違反があれば最大1年間新たに留学生を受け入れることができません。そのため、学校側は留学生に対して、今後ますます必要書類の提出厳守を求めるでしょう。
参照:New International Student Program regulations take effect|Government of Canada
今回の学生ビザ規制改正では、就労時間の延長や学校変更手続きの変更、指定学習機関(DLI)の取り締まり強化が挙げられます。これらの変更の背景には、以下の理由・根拠があります。
・カナダでは2024年に入っても家賃や食料品などの生活関連費が上昇している
・カナダでは2024年1月に学生ビザの取得に必要な残高の基準を引き上げた
・オーストラリアでは留学生に対して、2週間で48時間までの就労条件が新たに加わった
・アメリカではオフキャンパスで労働するためには追加条件を満たす必要がある
前提として、移民受け入れに積極的な国々で、物価上昇による生活苦が進んでいます。その影響で留学生の不法労働も横行しており、それらを抑止することが世界のトレンドです。
流れに従う形で、カナダでも不法労働を抑止する制度を整えつつ、週の就労時間制限を緩和して、現在の留学生の生活をサポートしようとしています。カナダでは学生ビザの申請に必要な残高証明をCA$10,000(約110万円)からCA$20,635(約225万円)に引き上げたことも、その取り組みの一環です。
参照:Consumer Price Index, June 2024|Statistics Canada
参照:CIMM – International Student Eligibility and Vulnerability – February 28, 2024|Government of Canada
ここからは、今回の学生ビザ規制改正に関するよくある質問について回答します。
カナダの指定学習機関(DLI)にフルタイムで在学している留学生が、学生ビザの就労許可条件を満たしている場合、カナダ国外の企業とリモートで働くことが可能です。この場合は、週24時間のオフキャンパス労働時間にはカウントされません。「オフキャンパス」とは、「カナダ国内のキャンパス外」と認識しましょう。
参照:Work off campus as an international student |Government of Canada
週24時間のオフキャンパス労働時間の制限は、長期休暇中は適用されません。夏休みや冬休みなど、指定学習機関(DLI)であらかじめ決められている長期休暇である場合、休暇中はフルタイム(週40時間以内)で働くことが可能です。
ただし、条件として「休暇前と休暇後ともにフルタイムの学生である」必要があります。そのため、最初の学期が始まる前に働くことはできません。
参照:Work off campus as an international student |Government of Canada
カナダの語学学校に通いながら、留学生が在学中にアルバイトすることは基本的にできません。学生ビザでアルバイトができるのは、カレッジ(College)、ユニバーシティ(University)、大学院などで6か月以上のプログラムに参加しているフルタイムの学生です。
語学留学の方がこれからカナダでアルバイトをするには、以下の方法が有効です。
・コープ(Co-op)プログラムに切り替える
・ワーキングホリデービザを申請する
詳しくは、以下のページを参考にしてください。
カナダの学生ビザでアルバイトはできる?語学学校に通いながら働く条件や時給、仕事探しの方法、注意点を解説
カナダの学生ビザで働く場合でも、社会保険番号(SIN|Social Insurance Number)は必要です。社会保険番号とは、カナダで働く方は全員取得しなけらば行けない9桁の番号のことです。
毎回の給与の受け取りや、毎年初春のインカムタックスリターン(確定申告)に必要となります。Service Canadaのオフィスで窓口申請、オンライン申請、郵送申請のいずれかから申請が可能です。
カナダのSIN(Social Insurance Number)とは?オンライン申請、予約の取り方、更新や確認方法を解説
カナダの指定学習機関(DLI)でプログラムを修了した後に、フルタイムで働くための方法は以下の2つです。
・ポスグラビザ(PGWP)を申請する
・進学・転校して新しい学習プログラムを始める
ポスグラビザとは、指定学習機関(DLI)の卒業後に、一定期間カナダで働くことが認められている就労ビザです。修了したプログラムの長さによってビザの期間が決まり、最長3年間取得できます。就労の内容、職種については指定がないため、永住権を目指す方の選択肢の一つとして人気です。
ワーホリやポスグラ(PGWP)からカナダ移住は可能?永住権の取得方法、メリット・デメリット、ポイントを解説!
2024年11月15日に施行された新しいルールにより、カナダの学生ビザのオフキャンパス就労時間が週24時間まで延長されました。円安の影響でカナダ留学して現地でアルバイトをする方が増えてきていますが、今回の改正はその追い風となる可能性があります。
一方で、「カナダに行って高い時給で働くこと」と「語学留学をして自分のスキルを高めること」は切り離して考える必要があります。
たとえば、カレッジ(College)に通いながら週24時間フルでバイトをして、次の日の学校の予習がおろそかになるのは本末転倒です。日本にいるときからある程度の貯金をして、カナダでは「スキルを高める時期」と「身につけたスキルを活かして稼ぐ時期」に分けることで、時間と体力を効率よく使えます。
本サイトを運営するIAJP留学センターでは、円安の時代でも効果的にカナダ留学を実現させるプランを提案しています。相談料は完全無料となりますので、公式LINEまたは問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
野澤治子
NPO留学協会認定資格(NO62057)カナダ専門留学アドバイザー。
カナダ(トロント、バンクーバー)で4年滞在。
バンクーバで留学カウンセラーとして年間900人以上の留学生をサポートしてきました。
自分が留学した際に経験して感じたことや失敗談をなど自分のカナダでの留学経験を活かし「最初の1歩を踏み出す後押しができる」そんな「留学アドバイザー」でいれたらと思います。 特にカナダワーキングホリデーの中でも私は「ギリホリ」を経験者なので「キャリアアップ」につなげたい社会人の方応援します! また2人の子供がいるので私の経験を活かしお子様の英語教育から高校留学など少しでも英語や留学を身近に感じていただけるお手伝いをさせていただきます。気軽に相談下さい。