
最終更新日:2025年1月28日
目次
「海外のサマースクールのプログラム内容は?」
「海外のサマースクールの費用はいくらぐらい?」
「海外のサマースクールに参加するメリット・デメリットは?」
昨今では、海外のサマースクールをはじめとした海外留学で、国際感覚や自立心を養う教育が珍しくありません。日本の留学生政策でも「留学生30万人計画(平成20年)」によって、奨学金や補助金などの支援制度が整備されています。
そこで本記事では、海外のサマースクールの年齢別プログラム内容や費用目安、参加する流れ、メリット・デメリットなどを紹介します。サマースクールに興味がある方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
参照:「日本人の海外留学の効果測定に関する調査研究」成果報告書 | 文部科学省
海外のサマースクールとは、日本の学校が休みの期間に海外の教育機関や語学学校で学ぶ、数週間から1か月程度の体験留学プログラムです。プログラムの内容は留学目的によって異なりますが、主に以下の3点の中のいずれか、またはいくつかの要素があります。
1.英語力を高める
2.アクティビティを通した異文化交流
3.リーダーシップや芸術など専門的なスキルを高める
たとえば、イギリスの名門ハロウスクールで開催されるサマースクールは、午前中は英語の授業、午後はスポーツ・芸術・音楽などのアクティビティに参加するプログラムが人気です。週に数回はロンドンの観光名所や美術館、有名大学見学などに参加可能で、短期間でもイギリス文化に幅広く触れられます。
このように海外のサマースクールは、国際的な視野を広げ、将来のキャリア形成にも大きな影響を与える貴重な経験です。
サマースクールと似ている言葉で「サマーキャンプ」があります。どちらも夏に開催される留学・教育系プログラムという点では同じですが、サマースクールは専門分野の教育やスキル開発に重点を置き、サマーキャンプは国際交流やアクティビティに重点を置いている傾向があります。
とくにカナダでは、語学学校や教育機関が主体となって、質の高いジュニア向けサマーキャンプを開催しています。プログラムの詳細や参加条件などは、こちらのページを参考にしてください。
【2025年夏の留学向け】カナダのおすすめジュニア向けサマーキャンプ|種類や費用、滞在方法
海外のサマースクールには、以下の対象年齢の区分によって、プログラム内容やカリキュラムに違いがあります。
1. 幼児・小学生向け(6歳〜12歳)
2. 中学生・高校生向け(13歳〜18歳)
3. 大学生・社会人向け(19歳〜)
それぞれの内容と特徴を解説します。
幼児・小学生向けのサマースクールでは、英語学習と遊び、専門科目を組み合わせたプログラムが一般的です。
たとえば、ハワイのIIE Hawaii Kids and Teens Englishで開催されているサマースクールでは、英語学習に加えてハイキングなどの体を動かすアクティビティを一日で体験できるキッズプログラムがあります。また、アメリカで開催されている小学生向けのサマースクールでは、1週間単位で開催されるSTEM系プログラムが人気です。
1. 宇宙科学(Science)
2. プログラミング(Technology)
3. ロボティクス(Engineering)
4. 数学(Mathematics)
とくに、NASAが開催しているサマースクールでは、国際宇宙ステーションとの交信や火星での居住シミュレーションなどの貴重なプログラムが準備されています。幼児から小学生向けのサマースクールでは、英語と一緒に楽しくアクティビティや専門科目が学べるプログラムが多いです。
中学生・高校生向けのプログラムでは、英語力の向上の他に、アカデミックな内容やリーダーシップ育成などを目的としている内容が多いです。たとえば、イギリスのヘレブリー(Haileybury)のサマースクールでは、英語の他に博物館や美術館での専門家によるワークショップが提供されています。
また、アメリカのイエール大学(Yale University)のサマースクールでは、参加者が寮生活・集団行動を通して、リーダーシップや自立心を養っていくプログラムが開催されています。中学生・高校生向けのサマースクールは、自尊心や成功体験に重点をおいたカリキュラムが豊富です。
大学生・社会人向けのサマースクールでは、専門分野の知見を深めるためのプログラムや、国際的なビジネススキルを養えるプログラムなどが提供されています。たとえば、ハーバード大学のサマースクールでは、実際にハーバード大学でおこなわれている講義に参加できるプログラムがあります。
参加者には高い英語力が求められ、ネイティブの学生とともに授業を受けることが特徴です。大学生・社会人向けのサマースクールでは、将来のビジネスや職能につながる専門性の高いプログラムが人気です。
海外のサマースクールの費用は、プログラム内容・開催国・期間などによって大きく変動します。
国・地域 |
1週間の費用目安 |
2週間の費用目安 |
アメリカ |
30~50万円 |
60~100万円 |
イギリス |
10~40万円 |
20~80万円 |
ニュージーランド |
10~30万円 |
20~60万円 |
オーストラリア |
10~35万円 |
20~60万円 |
カナダ |
10~40万円 |
20~80万円 |
シンガポール |
15~20万円 |
30~40万円 |
ハワイ |
25~40万円 |
35~70万円 |
サマースクールの人気開催国における参加費と滞在費の目安です。航空券や海外旅行保険料などは含まれていません。
主要開催国の中でも、とくにアメリカやハワイは他国よりも費用が高めになる傾向にあります。その一方で、ニュージーランド・オーストラリア・シンガポール・カナダなどは比較的費用を抑えられます。
海外のサマースクールに参加するときの一般的な流れはこちらです。
1.情報収集とプログラム選び
2.参加申し込み手続き
3.出願書類の準備
4.合格通知の受け取り
5.渡航前の準備
6.出発前オリエンテーション
それぞれ解説します。
海外のサマースクールに参加するには、まず自分の目的や興味に合ったプログラムを選択することが重要です。信頼できる留学エージェントや公式サイトなどから情報を集め、希望条件に合うプログラムを探しましょう。
その後、申請書を提出し、参加費の一部を支払う流れが一般的です。基本的にすべての学校でVISAやMaster Cardなどの国際ブランドのクレジットカードを使った決済ができます。
海外のサマースクールに出願するときに求められる書類は、開催している運営元によって異なります。ここでは、一般的に必要とされる主要な項目に絞って紹介します。
1.成績証明書・推薦状・論文など
2.英語力判定試験のスコア(TOEFL、IELTSなど)
3.パスポートのコピー
4.親権者の同意書(未成年の場合)
プログラムによって必要な書類(論文など)は異なるため、参加するサマースクールのウェブサイトや案内資料をよく確認して、締切日までに確実に提出してください。
申請が受理されると、プログラムの運営元から合格通知が届きます。一般的に電子メールで届くため、迷惑メールフォルダに間違って届かないように注意が必要です。
航空券の手配・電子渡航認証(eTA)の登録・海外旅行保険への加入などの準備を進めます。航空券を安く購入するコツ・方法については、こちらの関連記事を参考にしてください。
格安航空券を検索できるサイト|カナダワーホリ、語学留学、高校留学の方向け
渡航前にはオリエンテーションが開催される場合が多く、事前に現地での注意点を把握するのに有効です。
海外のサマースクールに参加するために必要な書類は以下の通りです。
1.電子渡航認証(eTA)に登録する
2.海外旅行保険に加入する
3.パスポートの有効期限を確認する
4.必要に応じてビザを取得する
ここでは、それぞれの内容とその取得手続きについて解説します。
渡航先によっては、電子渡航認証への登録が必要です。たとえば、カナダの場合は「イータ(eTA)」と呼ばれる電子渡航認証をインターネットから申請する必要があります。
カナダの電子渡航認証(eTA)の申請方法については、こちらの関連記事を参考にしてください。
カナダ入国に必要なeTA(電子渡航認証)とは?申請のやり方や有効期限の確認方法、記入例を紹介!
サマースクールのプログラムによっては、海外旅行保険への加入が必須条件になっています。万が一の場合に備えて、緊急時に医療費などをカバーできる保険を選択しておきましょう。IAJPがおすすめする海外旅行保険については、こちらの記事を参考にしてください。
カナダ留学・ワーホリ必見!おすすめの海外旅行保険と選び方のポイントを徹底解説【2025年最新版】
パスポートの有効期限が渡航先の規定を満たしているか確認してください。一般的には、滞在予定日から6か月以上の有効期限が必要です。
海外のサマースクールに参加するときに、必要に応じてビザを取得する必要があります。カナダなどのように「短期滞在はビザなしでOK!」という国もありますが、ほとんどの国が入国・滞在に必ずビザが必要です。国ごとにルールを確認し、時間に余裕をもって準備を進めましょう。
海外のサマースクールに参加するメリットは、以下の3点です。
1. 語学力が向上する
2. 異文化体験と視野の拡大
3. 自立心と適応力の向上
それぞれ解説します。
海外のサマースクールに参加する最大の魅力は、語学力の向上が期待できる点です。現地の生きた言語環境で生活しながら、語学授業やアクティビティを通して、実践的な会話スキルを学べます。
たとえば、イギリスのブラッドフィールド大学(Bradfield College)のサマースクールは、英語力の向上を最優先にしたプログラムが特徴です。英語の授業を通して、英語の4技能を満遍なく身に付けられます。サマースクールを通して、アクセントや発音の癖などに慣れ、英語コミュニケーション能力を高めることが可能です。
サマースクールに参加することで、多様な文化に触れる機会を得られます。たとえば、現地での学校生活やホームステイなどを通じて、その国独自の文化・生活スタイル・価値観を知ることができます。
また、多国籍の参加者たちとの交流を通じて、他国文化や考え方の違いを知り、国際感覚を養うことが可能です。
サマースクールでは親元を離れて生活をするため、自立心や自己管理能力を育てる絶好の機会です。とくに新しい環境では、自分で問題を解決する力が求められます。
また、現地の文化や習慣に馴染む過程では適応力や柔軟性が鍛えられます。海外のサマースクールに参加することで、自然と責任感や自己効力感が向上します。
海外のサマースクールに参加するデメリットは、以下の3点です。
1. 参加費用の負担が大きくなることがある
2. 短期間の留学は英語コミュニケーション力の習得には不十分
3. 文化や生活習慣の違いによりストレスを感じることがある
それぞれ解説します。
海外のサマースクールに参加するには、プログラム費用・航空券代・滞在費などの費用がかかることがデメリットです。
アメリカやイギリスなどのように物価が高い国では、1週間の滞在で30万円を超えることも珍しくありません。また、現地での生活費や追加アクティビティの費用など、予想外に出費がかさむこともあります。
サマースクールは、1週間から1か月程度の短期プログラムが一般的です。そのため、語学力や異文化理解の向上には限界があります。
とくに、留学初心者や現地文化に初めて触れる参加者にとっては、限られた期間で日常会話レベルまでの英語力を手に入れることは難しい場合もあります。海外のサマースクールはあくまでその国の文化や言語とのふれあいのきっかけと考えておくことをおすすめします。
海外の地では、文化や生活習慣の違いからストレスを感じてしまうこともあります。理由は、食事・生活リズムの違いや現地の人とのコミュニケーションの難しさなどです。
たとえば、心理的負担によってホームシックを発症する人も珍しくありません。とくに初めて海外を経験する方は、渡航前に現地の文化や習慣を把握し、心構えを整えることが重要です。
海外のサマースクールに参加するときのポイントや注意点は以下の4つです。
1.持ち物リストを作って忘れ物をしない
2.健康・体調管理を意識する
3.留学先の国の情報を収集する
4.異文化交流ではマナーを考慮する
渡航前にサマースクールの持ち物リストを確認し、現地の文化や気候に合わせた荷物を準備します。とくに、保険証のコピーや常備薬などは忘れないようにしましょう。また、事前に予防接種や健康診断を受診し、現地での健康リスクを最小限に抑える意識を持ってください。
さらに、現地の交通事情・治安・緊急連絡先などの確認も怠らないようにしましょう。そして、異文化や習慣を把握し、マナーを守ることも重要です。たとえば、現地での挨拶作法や立ち振る舞いなど、基本的なマナーを守ることで、よりスムーズに現地での生活に馴染めるはずです。
【完成版】カナダ留学に必要な荷物をチェックリストでおさらい!
海外のサマースクールは、英語力の向上や異文化体験、そして自己成長の大きなきっかけとなる貴重な機会です。渡航先・プログラム内容・費用・期間などを十分に検討し、自分の目標や予算に合った選択をすることが重要です。
IAJP留学センターでは、カナダやフィリピンへのサマースクール参加のサポートサービスを実施しています。相談料や紹介料は無料です。是非お気軽に公式LINEまたは問い合わせフォームからご連絡ください。
野澤治子
NPO留学協会認定資格(NO62057)カナダ専門留学アドバイザー。
カナダ(トロント、バンクーバー)で4年滞在。
バンクーバで留学カウンセラーとして年間900人以上の留学生をサポートしてきました。
自分が留学した際に経験して感じたことや失敗談をなど自分のカナダでの留学経験を活かし「最初の1歩を踏み出す後押しができる」そんな「留学アドバイザー」でいれたらと思います。 特にカナダワーキングホリデーの中でも私は「ギリホリ」を経験者なので「キャリアアップ」につなげたい社会人の方応援します! また2人の子供がいるので私の経験を活かしお子様の英語教育から高校留学など少しでも英語や留学を身近に感じていただけるお手伝いをさせていただきます。気軽に相談下さい。