

最終更新日:2026年3月7日
目次
「ワーホリ中の国民年金は払う必要があるの?」
「国民年金の免除や任意加入制度とは?」
「住民票や海外転出届で扱いが変わる?」
これからワーホリ・留学に行く方の中には、日本の国民年金・国民健康保険などの社会保険、住民税・所得税などの税金の支払い方法に困っている方も多いでしょう。
その中ですでに、海外転出届を出して住民票を抜くことで、社会保険料の支払いを免除できる制度を知って、魅力的だと感じる方もいるはずです。
一方で、ワーホリによる国民年金の支払い免除には注意点があります。
そこで本記事では、ワーホリ・留学に行くときに国民年金を免除できる人の条件と申請方法を解説します。
また、免除するべき人の特徴や免除しないことによるメリット・デメリット、払い続けたほうがいい人の特徴、一緒に手続きすべき制度を紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

ワーホリ中の国民年金の扱いは、住民票を抜くかどうかで大きく変わります。
「海外に出れば自動で免除になる」と思っている方も多いですが、それは誤解です。
ここからは、制度の前提として加入義務の基本と、海外転出した場合の扱いの変化を整理します。
国民年金は、日本国内に住民登録がある20歳以上60歳未満のすべての人が加入対象です。
学生・無職・自営業であっても例外ではありません。
また、会社員の場合は厚生年金に加入しますが、厚生年金には国民年金(基礎年金)が含まれています。
どちらの制度も、将来受け取る老齢年金の土台となる点は共通です。
重要なのは、住民票が日本にある限り、国民年金の支払い義務は継続するという点です。
海外転出届を提出して住民票を抜くと、日本の法律上は「国内居住者」ではなくなります。
その結果、国民年金は強制加入から任意加入へと切り替わります。
任意加入とは、自分の意思で納付を継続するかどうかを選べる状態です。
支払いをやめることも、続けることも、どちらも可能になります。
一方、住民票を残したままワーホリに出た場合は、海外にいても加入義務が続きます。
「住民票を抜く=任意加入へ」「住民票を残す=加入義務継続」という基本構造を、まず頭に入れておきましょう。

ワーホリ中の国民年金の扱いは、住民票を抜くかどうかで大きく変わります。
なお、細かく分けると選択肢は4つに分かれます。
1.住民票を抜いて任意加入に切り替える
2.住民票を抜いて支払い義務を消滅させる
3.住民票を残して国民年金の支払いを継続する
4.住民票を残して国民年金の免除・猶予制度を利用する
ここからは、それぞれの手続きの違いについて紹介します。
海外転出届を提出して住民票を抜いた後も、希望すれば国民年金の納付を継続できます。
これを「任意加入」と言い、将来受け取る老齢年金の額を減らしたくない方に向いています。
ただし、海外から日本の口座を通じて納付する手間が生じます。
口座残高の管理や引き落とし確認など、渡航中も定期的なチェックが必要になる点は覚えておきましょう。
海外転出届を出して住民票を抜くと、国民年金の強制加入義務がなくなります。
その結果、保険料の支払いを止めることが可能です。
毎月の保険料負担がなくなるため、現地の生活費や緊急資金に回せ、渡航中の固定費を抑えたい方に向いています。
ただし、この期間は年金の納付記録に空白が生まれます。
将来の受給額が減る可能性があるため、長期的な視点も合わせて検討することが大切です。
ワーホリに海外転出届は必要?1年未満の扱いや住民税・年金・保険・マイナンバーなど役所手続きの注意点を解説
住民票を残したままワーホリに出る場合は、海外にいても国民年金の支払い義務が続きます。
そのため、引き続き保険料を納める必要があります。
滞在期間が短い方や、国内の手続きをあまり変えたくない方に多い選択と言えます。
渡航中も毎月の保険料負担が続くため、ワーホリのように1年以上滞在する場合は家計への影響が大きくなりやすい点に注意が必要です。
住民票を残したままでも、一定の所得要件などを満たせば、国民年金の免除・猶予制度を利用できます。
制度の種類は「全額免除」「一部免除」「納付猶予」などがあります。
住民票を抜いて加入義務が外れるケースとは異なり、こちらは申請が必要です。
自動的に適用されるわけではありません。
なお、免除期間は受給資格期間のカウント対象になりますが、受給額は満額にはなりません。

国民年金の支払いを免除するとメリットがあります。
1.毎月の支払い負担を軽減し、現地での生活費に充てられる
2.年金受給資格(25年以上)のカウント対象になる
3.海外から日本の銀行口座を通じて納付する手間がない
それぞれ解説します。
国民年金の保険料は、2026年度時点で月額17,510円です。
ワーホリ渡航初期は、航空券・海外保険・語学学校の学費・生活費など、まとまった出費が重なります。
そこに毎月の年金保険料が加わると、資金繰りはさらに厳しくなります。
とくに、渡航直後の数ヶ月は現地での収入が安定しにくい時期です。
免除や支払い停止によって、この固定費をなくせるのは大きなメリットです。
老齢年金を受け取るには、「受給資格期間」が10年以上(120か月以上)必要です。
保険料の納付・免除・猶予を合わせた合計期間で判断されます。
つまり、支払いを止めていた期間も、受給資格を満たすための期間としてカウントされます。
ただし、受給資格期間に算入されるからといって、受給額が満額になるわけではありませんが、年金を受け取るための土台に乗るかどうかは重要な要素です。
任意加入を選んで支払いを継続する場合、海外にいながら日本の口座残高を管理し続ける必要があります。
引き落とし忘れや残高不足が続くと、未納扱いになるリスクもあります。
一方で、支払いを免除・停止すれば、こうした海外からの口座管理の手間がなくなります。
現地の生活に集中しやすくなるという、実務的なメリットもあります。

免除にはメリットがある一方で、将来の受給額や利用できる制度に影響が出る点も見逃せません。
追納や任意加入という対策もありますが、まずデメリットをしっかり理解しておきましょう。
免除期間は受給資格期間にカウントされますが、受給額は納付した場合と比べて減ります。
たとえば、全額免除の場合、その期間の年金額は本来の2分の1程度になります。
一方で、帰国後に「追納」という手続きをすれば、過去の免除期間の保険料を後から支払って受給額を回復させることができます。
ただし、追納できるのは免除から10年以内という期限があります。
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国民年金の保険料を納付していることを前提とする制度があります。
たとえば、毎月400円を上乗せして将来の年金を増やせる「付加年金」は、免除中は利用できません。
また、老後資産を自分で積み立てる「iDeCo(個人型確定拠出年金)」も、国民年金の免除者は原則として加入が制限されます。
渡航中は影響を感じにくい論点ですが、帰国後の資産形成を重視する方にとっては無視できないデメリットです。
免除期間が長くなるほど、こうした制度との関係にも注意が必要です。

国民年金の免除手続きは、出国前に役所や年金事務所でまとめて行うのが基本です。
1.海外転出届を役所に提出する
2.国民年金被保険者資格喪失(申出)書」を提出する
3.基礎年金番号通知書(または年金手帳)を確認する
自治体によって取り扱いが異なる場合があるため、事前確認を忘れずに行いましょう。
1年以上海外に滞在する予定がある場合は、住民票のある市区町村の役所に海外転出届を提出します。
出国予定日の14日前から提出可能です。一般的に、提出で必要なものは以下の通りです。
・本人確認書類
・マイナンバーカード(または住民基本台帳カード)
・印鑑 など
自治体によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
海外転出届を提出して住民票を抜くことで、国民年金の強制加入義務が外れます。
国民年金の支払いをやめる場合、海外転出届と合わせて、国民年金被保険者資格喪失(申出)書の提出が必要になる場合があります。
海外転出届の提出と同時に年金の手続きも案内してくれることが一般的ですが、自治体によって対応が異なるため、市区町村の窓口や年金事務所で確認しましょう。
また、任意加入を希望する場合は、資格喪失ではなく「任意加入申出書」の提出が必要です。
継続か停止かを事前に決めたうえで窓口へ行くとスムーズです。
帰国後の追納手続きや、年金記録の確認には基礎年金番号が必要になります。
年金手帳または基礎年金番号通知書に記載されている番号を、渡航前に必ず確認しておきましょう。
書類の原本は日本に置いていく場合も多いため、番号をスマートフォンで写真撮影しておくか、メモを手元に残しておくことをおすすめします。
また、「ねんきんネット」(日本年金機構公式サービス)に事前登録しておくと、海外からでも年金記録をオンラインで確認できるため便利です。

出国前に手続きが間に合わなかった場合でも、一定の対応が可能です。
1.郵送などで海外転出届を提出する
2.国民年金の免除・納付猶予制度を遡って申請する
出国後の手続き方法は、出国前とは異なるルートになります。
自治体ごとに対応が異なるため、まず住民票のある自治体へ確認することが先決です。
すでに出国済みの場合、海外転出届を郵送で提出できる自治体があります。
また、日本に残っている家族や信頼できる人を代理人として手続きを依頼できるケースもあります。
ただし、郵送対応の可否や必要書類、委任状の書式などは自治体によって異なります。
まずは住民票のある市区町村の公式サイトや電話窓口で確認してください。
対応が難しい場合は、一時帰国のタイミングで手続きをまとめて行う方法もあります。
長期滞在が続くほど未手続き期間が長くなるため、早めの行動が重要です。
住民票を残したままワーホリに出た方が対象のルートです。
条件を満たせば、過去の一定期間にさかのぼって免除・猶予の申請ができる場合があります。
ただし、さかのぼれる期間には上限があります。
申請が遅れるほど対象外になる期間が増えるため、気づいた時点で早めに年金事務所へ相談しましょう。
なお、「海外転出で加入義務が外れるケース」と「住民票を残したまま免除申請するケース」は別のルートです。
自分がどちらに該当するかを確認したうえで手続きを進めてください。

国民年金の免除が「正解」とは限りません。
将来の受給額や保障を重視する方には、任意加入で払い続ける選択肢も十分合理的です。
3つの特徴から、自分に当てはまるかどうかを確認してみましょう。
老齢基礎年金を満額受け取るには、保険料の納付期間が40年(480ヶ月)必要です。
また、免除期間は受給資格期間に含まれますが、満額計算の対象にはなりません。
たとえば、ワーホリの1〜2年間であっても、その分は将来の受給額に影響します。
若いうちは実感しにくいですが、長期的な視点では納付を続けることが受給額の維持につながります。
国民年金の納付期間が老後の受給額を左右すると言っても過言ではありません。将来設計を見据えた判断が重要です。
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国民年金は老後の年金だけでなく、病気や事故で働けなくなった際に支給される障害基礎年金とも関係します。
障害年金を受け取るには初診日の前日時点で、「保険料納付済期間と免除期間の合計が被保険者期間の3分の2以上」などの要件を満たす必要があります。
一方、未納期間は要件に含まれません。
そのためワーホリ中も保障を確保したい場合は、任意加入で納付を続けるか、免除・猶予制度を申請して未納を避けるようにしておくと安心です。
免除を選んでも帰国後に「追納」することで将来の受給額を回復できます。
しかし、追納には手続きの手間とまとまった資金が必要です。
そのため、渡航中も家計に十分な余裕がある方や、帰国後の手続きをできるだけシンプルにしたい方は、払い続ける選択が結果的に楽になる場合があります。
また、追納できる期限は免除から10年以内ですが、期間が経つほど加算額が増えることもあります。
「あとでまとめて払えばいい」と考えていると、帰国後の負担が想定以上になることがあるため注意が必要です。

国民年金の手続きをする際、合わせて確認しておきたい制度が4つあります。
1.海外転出届を提出する
2.国民健康保険を脱退する
3.マイナンバーカードの国外利用切り替え
4.確定申告のために「納税管理人」を立てる
それぞれ概要を押さえておきましょう。
海外転出届は、国民年金・国民健康保険・住民税など、多くの手続きの起点になります。
1年以上の海外滞在が見込まれる場合は、出国の14日前になったら住民票のある市区町村へ提出しましょう。
提出することで住民票が抜け、国内居住者ではなくなります。
国民年金との関係では、この手続きが強制加入から任意加入への切り替えを意味します。
渡航準備の中でも優先度の高い手続きの一つとして位置づけておきましょう。
住民票を抜く場合、国民健康保険(国保)も同時に脱退手続きが必要です。
一般的には、海外転出届の提出と同じ市区町村の窓口でまとめて手続きできます。
国保の保険料は前年の所得をもとに計算されるため、渡航前に未払い分がないか確認しておくことも大切です。
なお、ワーホリ中は日本の国保が使えなくなるため、海外旅行保険または現地の民間医療保険へ加入しましょう。
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海外転出届を提出しても、カード自体は失効せず、番号も変わりません。
一方で、マイナンバーカードの券面の一部機能(住民票に紐づく機能など)が使えなくなる場合があります。
たとえば、コンビニで住民票をプリントアウトすることができなくなります。
帰国後に再び住民票を入れると機能は復活しますが、各種手続きが煩雑になることも視野に入れて、渡航前に一度確認しておくと安心です。
海外転出後も日本国内に不動産収入や配当収入などがある場合、確定申告が必要になることがあります。
そのときに、日本に住む納税管理人を選任して税務署に届け出る必要があります。
納税管理人は家族や知人でも可能です。
また、住民税については、出国した翌年の1月1日時点で日本に住民票がなければ、原則として課税されません。
ただし、前年の所得に対する住民税は別途精算が必要な場合があります。
所得の有無や資産状況によって必要性は変わるため、渡航前に税務署または税理士に相談して確認しましょう。

ここからは、ワーホリ中の国民年金に関するよくある質問に回答していきます。
住民票を残したままワーホリに出て、保険料を未納にしている場合は、義務違反になる可能性が高いです。
また、督促や延滞金が発生することもあります。
一方、海外転出届を提出して住民票を抜いた場合は、強制加入義務が外れます。
この状態で保険料を支払わないことは、法律上の違反にはなりません。
重要なのは、「手続きをしたかどうか」です。
出国するだけでは扱いは変わらないため、必ず役所での手続きを済ませてから渡航するようにしましょう。
将来の受給額は、免除の種類や期間によって異なります。
たとえば、全額免除の場合、その期間の年金額は満額の2分の1程度になるとされています。
具体的な試算は、「ねんきんネット」または最寄りの年金事務所で確認できます。
自分の状況に応じた金額を把握したうえで判断することをおすすめします。
現地の会社に雇用される場合は、現地の社会保険制度への加入が義務付けられることが多いです。
また、日本はカナダ・オーストラリア・ドイツなど多くの国と社会保障協定を結んでいます。
協定がある国では、二重に年金保険料を払わなくて済む場合があります。
ただし、国ごとの制度は大きく異なるため、渡航先でどのような雇用形態で働くかを確認したうえで、現地の雇用条件や保険制度について事前に調べておくことが重要です。

ワーホリ中の国民年金の扱いは、住民票を抜くかどうかで大きく変わります。
国民年金が負担に感じる方は、海外転出届を提出することで強制加入義務がなくなり、支払いを止めることが可能です。
一方、住民票を残した場合は支払い義務が続くため、免除・猶予制度を申請する必要があります。
免除には、毎月の支払い負担を軽減できるメリットがある一方、将来の受給額が減るというデメリットもあります。
どちらが正解かは、個人の生活設計によって異なります。
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野澤治子
NPO留学協会認定資格(NO62057)カナダ専門留学アドバイザー。
カナダ(トロント、バンクーバー)で4年滞在。
バンクーバで留学カウンセラーとして年間900人以上の留学生をサポートしてきました。
自分が留学した際に経験して感じたことや失敗談をなど自分のカナダでの留学経験を活かし「最初の1歩を踏み出す後押しができる」そんな「留学アドバイザー」でいれたらと思います。 特にカナダワーキングホリデーの中でも私は「ギリホリ」を経験者なので「キャリアアップ」につなげたい社会人の方応援します! また2人の子供がいるので私の経験を活かしお子様の英語教育から高校留学など少しでも英語や留学を身近に感じていただけるお手伝いをさせていただきます。気軽に相談下さい。